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家庭内暴力
【東京雑学研究会編】


§家庭内暴力が義務づけられていた頃とは?

古代ギリシアアテネとともに隆盛を誇ったのがスパルタ。「スパルタ教育」の語源となったほど苛烈な生活様式で知られている。
スパルタの国政において、市民の生活様式は立法者・リュクルゴスによって定められたといわれているが、リュクルゴスが実在していたかどうかははっきりしていない。現存する文書によると、ポリス成立期のスパルタでは世襲の王が二人いて、これらの長老会と民会で国政を決定する、めずらしい二王制が取られていた。
ギリシア第一の強国となったスパルタでは力強いことが最高の美徳とされていた。これは結婚生活にも生かされていたというから驚きだ。
結婚のときも男性は女性を暴力的に扱うことを義務づけられ、女性はそれに対して必死に抵抗しなければいけなかった。つまり、女性は体力的に優位な男性に屈服する、という形式を取らなければいけなかったのだ。
さらに暴力が激しければ激しいほど夫は尊敬されて、抵抗が激しければ激しいほど、女性の方も尊敬された。
こんな手続きを踏んで結ばれた夫婦に子どもができた後も、子どもが強いかどうかが「鑑定官」と呼ばれる役職者によって調べられる。もちろん、鑑定官によるテストに合格すればそのまま育てられるが、不合格の烙印が押されると、父親は子どもをダイゲスト山から突き落として殺さなければならなかった。
現在の私たちから見ればとんでもないドメスティック・バイオレンス、というよりは国家をあげての暴力社会に聞こえるが、時代が変われば人々の価値観変わるという良い例なのかも知れない。




東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 12670200