中国（国のなりたち）

黄河流域は４大文明発祥の地の１つで，その起源は約5000年前にさかのぼる。以来多くの王朝の興亡が繰り広げられてきたが，19世紀半ばに至り，中国における利権をめぐって西欧列強による侵略行為が激化した。1911年辛亥革命によって最後の王朝清国が倒れ，孫文を臨時大統領とする中華民国政府が樹立された。しかし，軍閥や官僚の主導権争いに加え，孫文を継いだ蒋介石を指導者とする国民党と21年に結成された中国共産党の抗争が繰り返されるなど，国内は大混乱が続いた。31年に日中戦争が始まると国民党と共産党は国共合作して抗日作戦を展開し，日本敗戦後は再び激しい内戦に突入したのち，49年10月に共産党による中華人民共和国政府が成立。同年12月蒋介石政権は台湾に追われて，中国本土の長い動乱は幕を閉じた。新政府は毛沢東のカリスマ的指導により政治，経済を含む社会主義的改造に着手，「大躍進政策」を実施した。60年路線対立からソ連とたもとを分かち，66年には文化大革命の嵐が吹き荒れた。78年以降は小平の指導の下で経済建設を重視する「改革・開放政策」に転換，その路線は江沢民へと引き継がれた。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050026