モンゴル（国のなりたち）

紀元前３世紀，モンゴル高原で活躍した遊牧騎馬民の匈奴による統一国家が成立，以後断続的に中国への侵略を繰り返した。1206年モンゴル高原の覇者となったハルハ族の長チンギス・ハンは，やがて西はアドリア海から東は太平洋岸に至る巨大なモンゴル帝国を築いた。帝国の崩壊後，モンゴル族は民族的統一性を失い，16世紀末には満州族の侵入を受け，以来２世紀余にわたり外蒙古の名で清朝の支配下に置かれることとなった。その後，間接支配から直接支配に切り換えたことに対する清朝への不満が，1911年の辛亥革命を契機に爆発，帝政ロシアの援助もあって一方的に独立を宣言した。それは一時的な内乱で終わったが，ロシア革命後，モンゴル革命の父といわれるスフバートル，チョイバルサンらの下にパルチザンを組織，21年にソビエト赤軍の支援を受けてウランバートルを奪還し立憲君主制の人民政府を樹立した。24年には人民共和制に移行。宗主権を主張する中国はモンゴルの独立を認めなかったが，46年正式に独立承認に踏み切った。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050059