インド（国のなりたち）

紀元前3000年頃にインダス文明が栄えたが，前1500年頃北西からのアーリア人侵入によって本格的な歴史時代が始まるとされる。アーリア人は独自の文明を築き，その中から発生した仏教を中心に前３世紀にマウリア王朝がインド史上初の統一国家をなした。同王朝３代目のアショーカ王はほぼ全インドを支配下に置く大帝国を築いたが滅亡，４世紀末にはヒンドゥー教を中心としたグプタ朝が栄えた。その後13世紀からインド，特に北部インドは西方から侵入してきたイスラム勢力の支配下に置かれ，16世紀に興ったイスラムのムガル王朝は強大な勢力を誇った。18世紀初め，ムガル王朝の衰退と前後して欧州勢力のインド侵略が激しくなり，1877年にはついに全インドを支配する英領インド帝国の成立を見た。しかし，支配の強化とともに反英独立抗争も強まり，第二次大戦後の1947年，半世紀余の独立抗争が収拾され，英領インドはパキスタンと二分して独立を達成した。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050066