スリランカ（政治・経済）

同国は，1977年に憲法を改正し，最高権力を大統領に集中，大統領内閣制となった。大統領は国民の直接選挙で選出され，任期は６年。78年２月国名をスリランカ民主社会主義共和国と改めた。83年政府によるタミル人虐殺以来，過激派「タミル・イーラム解放の虎（LTTE）」が20年にわたり民族紛争を続けてきたが，2002年２月停戦合意した。しかし，その後も和平交渉中断などにより進展していない。こうした中， 04年12月スマトラ沖地震の津波により，全土で３万人以上の死者を出した。現在，宗教・民族の違いを超えて，協力して国難に当たるべきとの機運が生まれつつある。05年８月対LTTE強硬派のカディルガマール外務大臣が射殺される事件が発生，LTTEの犯行との見方が強く，LTTEに対する国際的圧力が高まっている。外交は1956年以来非同盟中立を基本方針に積極的な活動を展開し，経済協力を中心に西欧諸国や日本との関係を強めている。産業は，紅茶，ゴム，ココナツ，米を主体とした農業が中心で，繊維・衣料関係の工業製品の輸出も多くなっている。また“インド洋に浮かぶ宝石の島”と美称されるように宝石もこの国の特産物である。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050100