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ブータン(国のなりたち)


古くからチベットの勢力下にあるヒマラヤ山麓の一地域として存在していた。16世紀頃には各地域にペンロップと呼ばれる土侯が支配,日本の戦国大名と同様な領国支配体制であったと考えられている。のち,宗教上の教主であるダルマラージャと政治の実権を握るデブ・ラージャによる二極体制がとられたという。国家としての形態を整えたのは20世紀に入ってからで,1907年初代国王ウゲン・ワンチュクが王位を宣言して君主制を確立。10年にはインドで支配を拡大していた英国の保護領となり,外交権を英国に委ねた。その後も,国際社会に登場する機会はほとんどないまま,47年インド独立により,英国が持っていた外交権はインドに受け継がれたが,鎖国政策はそのまま続けられた。64年国家主権論者のジグメ・ドルジ首相が暗殺され,11月宮廷革命によりワンチュク国王が実権を掌握して,近代国家としての本格的な国づくりを開始。




東京書籍
「世界各国要覧」
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