ベトナム（政治・経済）

単独政党である共産党に指導される社会主義国であるが，1986年以降市場経済と開放化を盛り込んだ「ドイモイ（刷新）」政策を進めている。かつてのソ連寄りの外交姿勢からソ連崩壊後は中国との関係正常化を図り，全方位外交に転じ，95年ASEANに加盟，米国とも国交を樹立した。基本的には農業国で，米の輸出はタイに次ぎ世界第２位である。ほかに茶，サトウキビ，ゴムの栽培が盛んだが，一方で政府は工業国入りをめざして工業化と近代化を２大戦略として打ち出し，外国からの投資を積極的に受け入れている。ドイモイ政策による高い経済成長も，97年のアジア経済危機で鈍化したが，2000年以降は再び回復過程に入っている。なお，03年末より鳥インフルエンザが発生，42人の死者を出したが，現在では沈静化している。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050172