ミャンマー（国のなりたち）

ビルマ族は，９～10世紀頃にチベット方面から移住して現在の地に定住した。1044年にパガン朝が創建され，最初の国内統一と近隣制覇がなしとげられた。しかし，1287年フビライ・ハンの侵略を受けてパガン朝は崩壊，以後はシャン，ビルマ，モンなど各民族の小国対立が続いた。1531年ビルマ族のタウングー朝， 1735年アラウンパヤー朝が全土統一に成功したが，1886年に全土は英領インドの一部に編入された。第二次大戦中の日本軍占領を経て，1948年英国との独立交渉が妥結し，ビルマ共和国の名で完全独立を達成した。独立以来，積極中立主義の厳守と社会主義国家の建設を標榜してきたが， 62年国内的混乱を背景にクーデターが発生，ネ・ウィン独裁政権の下でビルマ式社会主義が進められたものの半鎖国型の経済は破綻した。88年に再度軍事クーデターが起こり，翌89年にはビルマから現地呼称のミャンマーに改称した。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050185