ラオス(国のなりたち)
タイ系のラオ族は,10世紀前後に中国雲南地方から徐々に南下し,北部に小さな諸侯国を興した。1353年に統一国家ランサン(百万象)王国を樹立したが,のち3国に分裂して抗争を繰り返し,1893年にはフランスが保護国とし, 99年仏領インドシナ連邦の一部に編入されてしまった。第二次大戦時に日本軍が進駐し,混乱に乗じてルアンプラバン王国はフランスからの独立を宣言したが,戦後フランスの植民地行政が復活したため,「自由ラオス」運動が展開され,1950年にパテト・ラオ抗戦政権を創設。53年にフランスは独立を承認したが,王国政府と左派のパテト・ラオ(後のラオス愛国戦線)の対立が激化して内戦となり,73年和平協定により暫定国民連合政府が生まれたが,インドシナ情勢の急変にともない,ラオス愛国戦線が実質的指導権を握り, 75年にラオス人民民主共和国として発足した。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050201 |