アフガニスタン（政治・経済）

ソ連軍が撤退を完了するとカルマル政権は崩壊し，首都を征圧したゲリラ７組織による評議会（シューラ）が暫定政権を発足させた。1993年１月ラバニ大統領，ヘクマチアル首相による暫定政権が成立，停戦に合意し和平協定に調印したが，協定は機能せず，94年頃からタリバーンが勢力を伸ばし，96年首都カブールを制圧，99年までには国土の９割を支配した。米国同時多発テロ事件を機に，2001年10月，米英などによるアルカイダおよびタリバーンに対する軍事行動が行われ，12月には北部同盟などがタリバーン支配地域を奪還した。アフガニスタン各派の代表は和平プロセスに合意し（ボン合意），02年６月，カルザイ暫定政権議長を大統領とする移行政権が成立した。04年１月，新しい憲法が制定，10月の大統領選挙でカルザイ大統領が当選した。政府は，行政能力の向上，教育，保健・衛生，インフラ整備，経済システムの再建などを目標に掲げ，荒廃した国土の復興に努めている。経済基盤は長年の紛争による国土荒廃のため，崩壊状態にある。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050211