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オマーン(国のなりたち)


ペルシャ湾入口に位置して,紀元前2世紀頃からアラブ人が定住してきた。7世紀以降は,スハール港を中心に東西交易の通路として重要な役割を果たし,アフリカ東海岸にまで植民都市を建設していった。16世紀からインド洋貿易の独占支配をねらって,ポルトガルペルシャ湾沿岸部に進出し,マスカットを拠点に政治・貿易上の実権を握ったが,17世紀の半ば頃アラブ遊族が勢力を盛り返してポルトガル勢力を駆逐,1749年に現王朝のサイード家が支配者となった。サイード家の首長は東インド会社通じて英国との関係をしだいに深め,19世紀になって英国と奴隷貿易の禁止,海賊行為の禁止,領土不割譲などの各条約を結び,19世紀末からは英国の保護国と化して約1世紀,国内の安定を保ってきた。なお,オマーン国際法上は英国をはじめ他国の隷属下に置かれたことは一度もなく,古くから独立国の扱いとされている。




東京書籍
「世界各国要覧」
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