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カタール(国のなりたち)


16世紀頃からポルトガルペルシャ湾一帯に勢力を張ったため,沿岸住民はアラビア半島内陸部への移動を余儀なくされたが,代わって18世紀に英国が進出すると,内陸から沿岸部へ再移住を求めるようになった。それらの部族でカタールに定住したのがバニ・ウトバ族で,ハリーファ家が支配し,1822年王都アルビタを建設してのちの首都ドーハの基礎を築いた。19世紀の半ば,半島東部のサーニー家が勢力をのばし,1868年に首長ムハンマド・アル・サーニーは英国と協定を結ぶことで,支配権を確立。第一次大戦中の1916年には英国と保護条約を締結して,その保護下に入る。石油の採掘が始まった39年がこの国の転換点で,中世の首長国から一気に近代国家への道を歩むことになった。68年英国がスエズ運河以東からの撤退の方針を打ち出すと,湾岸にある9つの首長国による連邦化の気運が高まり,計画の指導的役割を果たしたが,バーレーンが連邦不参加を表明したため,71年9月,カタール単独で独立した




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「世界各国要覧」
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