キプロス(政治・経済)
憲法は大統領をギリシャ系,副大統領をトルコ系などと規定しているが,現在あらゆる政府のトルコ系ポストは空席のままである。一方トルコ系は1983年「北キプロス・トルコ共和国」を宣言したが,この国を承認しているのはトルコだけである。国連が和平案を示し,一時は双方が合意したものの再び決裂,今後も紆余曲折が見込まれる。キプロスは非同盟政策の維持,国連中心主義・平和主義を外交の基本とし,EU加盟を申請していたが,2004年5月新規加盟が認められた。主要産業は農業と観光業。主要輸出品は農産物のほか,銅,硫化鉄,アスベストなど鉱産物も多い。北部占領地域では経済が立ち遅れ,南北格差が生じている。また,レバノンのベイルートに代わる通商・観光センターとしての開発が進められている。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050275 |