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クウェート(政治・経済)


クウェートは,サバーハ家から選ばれる世襲制首長を元首とする立憲君主国である。独立の翌1962年に憲法を制定したが,首長によるほぼ独裁の体制が続いてきた。世界有数の産油国で,その収入により工業開発,社会福祉制度の充実など豊かな社会を築いた。しかし90年8月に発生したイラクの侵攻により国内経済は一時完全に破壊された。戦後は国際的支援を得て石油生産はめざましい復旧を見たが,この間に,国民の間に首長家に対する民主化要求が高まり議会の再開,総選挙の実施,女性参政権問題などの要求が出され,なお国王に実権が集中しているものの国会が開設された。2003年7月国民議会選挙が実施され,新内閣が発足した。05年5月,女性に参政権が認められ,同年6月初の女性閣僚が誕生した。外交面では,湾岸6か国で構成する湾岸協力理事会(GCC)やアラブ連盟を通じた政策を基本とし,また米国,英国との軍事連帯を強めている。イラク戦争では兵力駐留を受け入れた。経済は石油と外国人労働者依存しているが,豊かなオイルマネーにより世界トップレベル経済力を誇っている。




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「世界各国要覧」
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