トルコ(国のなりたち)
アナトリア半島は小アジアと呼ばれ,古来東西文明の接点にあたって早くから開けていた地である。紀元前2000年頃に都市国家や封建的家族国家を形成したヒッタイトに始まり,フリギア,リディア・イオニア,ペルシャ,ローマ,コンスタンティノープルのビザンチンなどの時代を経たのち,11世紀にセルジュク・トルコ時代が始まってようやく小アジア史にトルコ人が登場する。1299年からオスマン・トルコが大きな勢力をふるって,中近東一帯を600年以上にわたって支配した。第一次大戦で敗北を喫したオスマン帝国は,欧州列強の手によって広大な領土が分割され,国家消滅の危機に瀕した。これに対してケマル・パシャ(後のケマル・アタチュルク)を中心とした勢力が立ち上がり,1922年スルタン制を廃止して新政権を樹立,翌23年共和国を宣言してケマルを初代大統領に選出し,近代国家への道を開いた。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050305 |