バーレーン（政治・経済）

ハリーファ家を世襲首長とする立憲君主国で，国会も政党も現在のところ認められていない。しかし，2001年２月国民投票が行われ，「国民行動憲章」が成立。02年２月には憲法を改正し，国名を「バーレーン王国」に改めた。二院制国民議会を設置し，さらに湾岸諸国で初めて女性の参政権を認めた。また国民の７割がシーア派であるのに対し首長がスンニー派であることは不安定要因である。外交的には湾岸首長国との連携傾向が強く，アラブ諸国，非同盟諸国との協力，また米英との連帯が基本である。しかし，04年イラクの聖地への米軍の攻撃に対し抗議デモが起き，流血事件となった。現在は落ち着きを取り戻している。湾岸諸国中最も石油資源に乏しいため，早くから脱石油経済構造の確立をめざし，金融・交通・サービス産業の育成に努め，開放的な外資誘致策を推進している。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050315