パレスチナ(地理・気候・風土)
「パレスチナ」とは本来,地中海東岸の地域名で,レバノン,シリア,ヨルダンおよびエジプトのシナイ半島に囲まれた地方を指す。紀元前12世紀頃,セム系のペリシテ人が住んでいたことから,ローマ人が「ペリシテ人の国」という意味で「パレスチナ」と呼んだことに始まる。しかし,現在はその大部分にユダヤ人の国イスラエルが建国されており,今日「パレスチナ」という場合,残りのガザとイスラエルの占領地となっているヨルダン川西岸の2地区のみを指す。気候は,ガザ地区は地中海性で,西岸地区は完全な乾燥気候帯に属している。また死海一帯は砂漠の地溝帯をなし,死海湖面の標高はマイナス392mと,地球上の陸地の最低地点となっている。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050320 |