トンガ（政治・経済）

英連邦の一員で，英国にならった立憲君主制をとってはいるが，実際は国王が強大な影響力を行使している。内閣は首相を含む６名の閣僚と立法議会議長，ハアパイ，ババウの両知事からなり，立法議会は議長，閣僚，９名の貴族代表および９名の国民代表から構成されている。首都ヌクアロファのあるトンガタプ島で民主化推進派が平民代表全議席を獲得するなど，国民の間に民主化運動への支持が高まってきている。外交面では英国と緊密な関係にあり，相互に高等弁務官府を置いている。トンガは台湾と外交関係を有していたが，1998年，台湾との関係を終了し，中国との外交関係を樹立した。また国連に1999年加盟，ESCAPなど各種の国際機関にも積極的に加盟しており，太平洋諸島フォーラム（PIF）の一員でもある。産業は自給自足部門が50％を占めている。バナナ，コプラを中心とした農業が主で，工業はコプラ生産工場や魚缶詰工場など小規模である。最近，政府は漁業を経済開発の重要な分野とし，その開発に努める一方，国際空港の整備拡張やホテルの建設を行うなど，観光面にも力を注いでいる。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050377