クック諸島（政治・経済）

英国のエリザベス２世女王を元首とする立憲君主制であり，総督が置かれている。自治政府は首相と６人の閣僚で構成されており，24人の議員からなる議会がある。現在クック諸島政府は，ニュージーランドとの自由連合関係の維持，太平洋島嶼国との域内協力の推進，多くの国際関係への参加との基本方針の下に，自由主義経済を推進しているが，財政援助を含む経済援助などニュージーランドへの依存度が高いのが現状である。現在，防衛および対外関係についてもニュージーランドが責任を負っているが，ニュージーランドはクック諸島の自立を期待している。1990年代半ばまではマイナス成長に陥った経済であったが，99年以降観光業が回復，真珠養殖や漁業などの比較的新しい産業の育成により，経済は急速に回復してきている。また，貿易収支の大幅な赤字の一方で，観光や送金を通じた収入により経常収支はプラス基調となっている。主要産業は農業と観光で，労働人口では，農業5.4％，製造業5.8％，商業10％，運輸８％，サービス業66％がそれぞれ従事している。貿易は真珠（貝），果物・野菜，衣類，魚介類などを輸出し，石油製品，食料品（肉，飲料，小麦）などを輸入，大幅な入超となっている。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050408