パラオ(地理・気候・風土)
ミクロネシアの南西端にあり, 200余の小島は典型的なロック・アイランドで,紺青の海にこぼれ落ちそうな緑を茂らせている。コロール島が政治,経済,文化の中心である。パラオには他のミクロネシアの島々とは異なった独特の景観があるといわれている。ちょうど日本の松島のように緑濃い島が点在しているためで,“パラオ松島”と美称される。島の周囲には海岸に接して数百mから数の幅で発達する珊瑚礁,裾礁があり,さらにその沖合には一大堡礁が発達して,その南北の長さは100㎞にも達している。その堡礁の内側は「ロック・アイランド」と呼ばれる多数の島々が散在するが,開析(浸食されて複雑な起伏を持つ地形となること)された尾根が沈水して島々となったためである。気候は熱帯海洋性気候で,年間平均気温は27~28℃で一年を通じてほとんど変化はない。雨季は6~11月,乾季は12~5月と明確に区別されているが,雨といってもいわゆるスコールである。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050428 |