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パラオ(国のなりたち)


1543年にスペイン人の来航に始まるとされる。1886年にスペイン領有権確定したが,米西戦争スペイン敗北で,99年にパラオを含むミクロネシアの島々をドイツに売却,ドイツ領となる。第一次大戦でドイツが敗北すると,1920年パラオを含むミクロネシア地域は日本が施政権を持つ国際連盟委任統治領となった。日本はこれら全域を「南洋群島」と改称,パラオ諸島のコロール島に南洋庁を置いて南洋群島の統治にあたらせた。また,国策会社の南洋興発を通じて積極的に植民政策を進めたため,36年当時にはミクロネシア全人口約10.3万人のうち日本人がおよそ半分を占めたという。第二次大戦終結ののち47年からは国連の太平洋信託統治領として米国の統治下に入った。65年ミクロネシア議会の発足にともないパラオも代表を送ったが,78年連邦議会から脱退し81年独自の憲法を発布して自治政府を発足。しかし,この憲法は「世界最初の非核憲法」といわれる内容であったために,援助を前提とした米国との自由連合協定に基づいて独立するには大きな伽となってしまった。83年以降,7回もの住民投票を実施したが,憲法改正必要な75%以上の賛成を得られなかった。92年11月,ようやく憲法改正案が賛成多数で承認され,翌93年11月に住民投票で米国と自由連合協定を締結することを認め非核憲法の凍結が決まった。94年10月世界最後の国連信託統治領から,米国との自由連合国として独立。




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「世界各国要覧」
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