グアム（略史）

グアム島に人が住み始めたのは紀元前1500年頃といわれ，「マリアナ赤色土器」と呼ばれる土器を使用したと見られる。グアムの象徴となっているラッテ・ストーンが現れたのは９世紀初め頃と考えられているが，使用目的はよく分かっていない。1521年，マゼランが欧州人として初めて来航，以来メキシコとマニラを結ぶガレオン船の中継地に利用された。1565年スペインはグアム島においてマリアナ諸島全域の領有宣言を行い，1898年米西戦争の結果米国に譲渡されるまでの200年余スペインの支配が続いた。第二次大戦の開戦とともに日本軍はグアム島を占領，大宮島と命名して，南洋群島における軍事基地の１つとした。1944年９月米軍が再占領，49年米国はグアムを海軍省から内務省の管轄に移し，民間人の知事の下に置かれることになった。50年グアム島民は米国市民権を取得，70年から知事は島民によって直接選出されている。88年内政自治権を有する準州の地位を獲得。現在ではハワイに次ぐ日本人向け観光地として人気を集めるとともに，島の約３割を基地が占め，太平洋における米軍の軍事拠点としての地位を保っている。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050468