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アンドラ(国のなりたち)


アンドラの記録書によると,839年フランスのルイ1世がこの地をピレネー南麓の小都市ウルヘルの司教に下賜し,ウルヘルの町にも特別な権力を与えたことに始まるという。以来12世紀までウルヘルの司教はカボエ伯家と組んで権勢をふるった。1231年,ビリャムントのポンシオという高僧がアンドラの立法・行政・司法の制度を整えたが,これが現代まで引き継がれているアンドラの国政の基盤となっている。カボエ伯家に代わりフォア伯が後を継ぐと,ウルヘルの司教との間で紛争が生じたため,1278年両者の間で対等の封建領主権(徴税権,裁判権,徴兵権)を共有する「対等宗主契約」が結ばれ,以後アンドラの主権は両者が共同で統治することとなった。フォア家の権利は後にアルブレ家に移り,さらにフランスのブルボン家へ移った。1806年ナポレオン支配に入って以来,フランス元首がその権利を引き継ぎ,変則的な共和制が敷かれてきた。1992年基本三権はアンドラ国民自身が持ち,フランス大統領とウルヘル司教に外交・治安などで象徴的権利を認めるとする憲法を採択,93年3月独立主権国家となった。




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「世界各国要覧」
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