アンドラ(政治・経済)
立憲君主制で,政府・国会・裁判所の三権分立体制は一応整っているが,スペインのウルヘル司教とフランス大統領(個人)が共同君主として統治している。外交と国防は実質的にフランス外務省を通じて行われている。フランス,スペインと善隣友好協力条約を締結,EUと関税同盟を含む貿易協定に調印,国連に加盟している。また96年にはOSCEにも正式加盟した。EUには加盟していないが通貨はユーロである。またアンドラはフランス,スペイン両国の自由関税地域の特権を持っているため,毛皮,宝石類,時計やカメラ,電化製品などを免税で購入することができる。このため年間1,000万人を超える買い物客でこの国の経済が成り立っているといってよい。そのほかアンドラには所得税を含め直接税はない。耕地面積は全国土の2%を占めるにすぎないが,大麦とライ麦が主要作物で,そのほかにタバコ栽培が盛んでアンドラの輸出品となっている。牧畜も盛んに行われ,牧草地ではフランスやスペインからも夏になると家畜が牧草を求めてやって来る。工業はいくつかの製材工場と,タバコ工場(紙巻と葉巻)がある程度である。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050493 |