スウェーデン（政治・経済）

ナポレオン戦争後，平和主義政策に転じ両世界大戦では中立を保持，戦後も中立主義・非同盟政策を維持してきた。立憲君主国で元首は国王だが儀礼的役割しかない。また「憲法」という名称の法律はなく，統治組織法，国会法，王位継承法，出版の自由法の４法を憲法と総称している。1932年以降，76～82年，91～94年を除き，社民党政権である。現在は，左翼党と環境党の閣外協力の下，安定した政権基盤の上で政局運営を行っている。外交では，現在では非同盟中立を見直し，欧州統合に積極的であるが，国連協力を中心とした世界の平和と緊張緩和に努力している。95年１月EUに加盟したが，ユーロには参加していない。2003年ユーロ参加の是非を問う国民投票を実施したが，反対55.9％，賛成42.0％と，ユーロ参加反対が賛成を大きく上回る結果となった。一方，人道主義を基調とした開発途上国援助も積極的に推進している。貧しい農業国で生活苦のため100万を超える人々が米国に移住したこともあったが，森林資源，鉄鉱石，水力資源に支えられ，50年代には先進工業国となった。現在は，世界的技術水準を誇る鉄鋼をはじめ，機械，造船，紙・パルプなどの工業が国の経済的支柱となっている。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050558