スペイン(政治・経済)
1978年国民投票で民主体制確立を定めた憲法を承認し立憲君主国となった。行政の実施は内閣にある。軍部,右翼の勢力が強い。地方意識が強く,カタルーニャなどは「歴史的自治州」と呼ばれ,各州には中央政府が任命する政府代表が置かれている。また反政府組織「バスク祖国と自由(ETA)」は分離独立を求めテロが絶えない。2004年の総選挙では,マドリードで発生した列車爆破テロ事件を受け,イラクからの撤退を公約していた野党社労党が勝利し,サパテロ社労党の新内閣が発足した。公約どおり同年5月イラク国内から完全撤退した。外交はEUとの政治協力,また歴史的きずなの強い中南米,マグレブ諸国との友好関係促進など現実的政策をとっている。スペインは,60年代に奇跡的経済成長を遂げ,農業国から工業国へと脱皮した。革製履物,衣類などの伝統工業に加え,重化学工業が大きく発展した。87年1月に実現したEU加盟をはずみとする新経済改革が推進されている。このほかに重要な外貨獲得源として観光がある。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050565 |