ノルウェー（政治・経済）

立憲君主国であるが，国政の実態は議会民主主義である。議会は伝統的に小党分立的特徴を持っており，同時に社会主義政党と非社会主義政党の２つに分類できることから，２大政党的な面もあわせもっており，概ね保守，革新で交互に政権が担われているといえる。外交では，国連中心主義，西欧諸国や北欧諸国との協力を基本とした政策を展開しているが，EUへの加盟問題では94年の国民投票の結果，否決された。1993年イスラエルとPLOとの秘密交渉を仲介しパレスチナ暫定自治取極の合意（「オスロ合意」）に成功した中東和平をはじめ，スリランカ，スーダンなどの和平交渉でも尽力し，国際和平に向けての仲介にも積極的である。ノルウェー人は昔から“海の民族”といわれてきたように，この国は海運国であり，世界有数の水産国である。沖には世界４大漁場の１つがあり，主にニシン，タラ漁が盛んであるが，一方豊富な水力資源を利用した安価な電力をもとに金属工業，とくに電気化学工業や電気冶金工業が発展している。また，北海油田の開発が進められ，75年から石油輸出国となっている。現在国の経済はこの石油と金属工業と海運業により支えられている。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050589