モナコ(政治・経済)
立憲君主国で,行政権は国王に属し,また国王は立法にも参加する。ただし1919年の協定で男子の王位継承者がないとフランスに併合されることになっている。2004年レーニエ3世公が逝去,アルベール2世公が国王に即位した。行政は国王の下で国務相(首相。フランスが推薦する候補者3人のうちから選ぶ)と5人の顧問(内務,財務経済,対外関係,社会厚生,設備・環境・都市開発)が担当する。防衛はフランスが保障,通貨はユーロ。フランスとの関税同盟によりEUと結ばれている。この国は,とばく(カジノ)公認国として世界的に名をはせているが,国庫収入の主な財源は,観光収入,取引税およびタバコ・郵便切手販売からの収入で,公営とばく場からの収入は全体の5%にすぎない。また,直接税はなく,個人所得には課税されないという珍しい国である。現在モナコは特に観光業に力を入れており,半官半民の海水浴会社がその中心となっている。また,手工業,精密工業にも力を入れ,観光に頼る財政からの脱皮を図っている。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050645 |