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リヒテンシュタイン(政治・経済)


1921年憲法で統治される立憲君主国である。現元首はハンス・アダム2世であるが,04年アロイ皇太子を摂政(国家元首代行)として全権を移譲している。国会は25名の議員よりなり,また,しばしば国民投票の形で国民が国政に直接参加している。軍隊は1868年に廃止され,国防はスイスが代行している。外交は中立主義を基本とし,現在外交権はスイスに委譲している。また,スイス・フランを自国通貨に使用するなど,スイスとの結びつきが強い。郵便事業も長年スイスが代行していたが,スイスの郵便部門が民営化したため,99年リヒテンシュタインの郵便公社が設立された。以前は農業国といわれたが,第二次大戦後,金属加工業,窯業,化学工業精密機械工業などが飛躍的発展を遂げ,今では工業国家となった。産業はもっぱら輸出指向型で,全体の30%以上をスイスに輸出している。一方,工業の発展にともない,労働力不足を補うための外国人過度の流入(全労働人口のうち,同国籍保持者は34.3%のみ),農地の工業団地化と土地の高騰などの問題が発生している。外国企業からの法人税と切手の発行・販売収入でも財政は潤い,1人当たり国民所得は世界最高水準にある。




東京書籍
「世界各国要覧」
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