ポーランド(国のなりたち)
欧州交通路の結節点にあたり,ゲルマン,スラブ,スカンディナビア諸民族の抗争に巻き込まれやすい地理的位置から,歴史上しばしば争奪の場となり“悲劇の国”と呼ばれた。9世紀中頃ピアスト朝が国家統一をなしとげたのに始まり,14世紀以降はボヘミアやリトアニアなどを併合し,16世紀末にはバルト海から黒海に至る欧州最大級の王国となった。その後国力が衰退,ロシア,プロシア,オーストリアにより3度にわたり国土を分割され,1795年から約120年間は欧州の地図から消された。第一次大戦後,ベルサイユ条約により共和国として蘇生したが,1939年にドイツ,次いでソ連の侵入を受け,またも国土を2分され消滅した。第二次大戦のドイツ敗北により,ソ連占領下において直ちに亡命政権による統一政府が誕生し,52年新憲法が採択されて人民共和国が発足した。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050707 |