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ウクライナ(政治・経済)


ウクライナは従来より特に独立志向が強く,1991年12月国民投票を実施して大統領選出するとともに市場型自由経済体制へ移行,将来的には非核,中立・非同盟国家となることを宣言した。元首は民選の大統領一院制の議会を持ち,首相は大統領指名する。2004年大統領選挙で不正が発覚,再投票の結果,ユーシェンコ候補が勝利を収め,05年1月大統領に就任した。「欧州への統合」を掲げつつも,欧米とロシアの間の均衡を模索する路線をとっている。エネルギー大部分ロシアからの輸入に依存するため,経済的にロシアとの深いつながりがある一方, EU加盟をめざしている。95年欧州評議会に加盟, 02年NATOへの加盟意志を表明。ウクライナ潜在的には極めて豊かな国であり,昔からロシア穀倉地帯といわれ,旧ソ連の他の共和国への食糧大供給地であった。また工業分野でもドネツ炭田を中心に重工業地帯を有し,鉄鋼,機械工業も発達している。さらに黒海沿岸にはオデッサなど良港を有し,海運も盛んである。経済は安定し,プラス成長を続けている。現政権は,透明な市場経済システムの確立をめざす改革を進めている。86年に至上最悪の原発事故を起こしたチェルノブイリ原発はこの国にある。




東京書籍
「世界各国要覧」
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