エストニア（国のなりたち）

フィンランド人と祖先を同じくするといわれ，10世紀頃までは小部族集団を形成していた。13世紀からデンマーク，ドイツ騎士団の支配下に置かれ，1561年からはスウェーデンが領有。18世紀初めの北方戦争でピョートル１世のロシア軍が勝利し，1721年からロシア領に変わったが，数世紀にわたり続いてきたドイツ貴族による土地支配制度はそのまま残された。1917年，ロシア革命の混乱で主権を宣言したが，親ソ勢力の抵抗にあって頓挫。翌年ドイツとソ連勢力が対抗する状況の中で再度独立を宣言，ドイツの一時的な占領もあったがドイツ敗戦によって独立を勝ち取った。その後，反ソ親独政権が続いたが，第二次大戦勃発直前にソ連と相互援助条約を結んでソ連軍の国内進駐を許可したことから， 40年６月ソ連軍によって占領された。翌月共産党のみを公認した選挙を強制し，ソ連に一方的に併合。独ソ戦では，一時ドイツ軍に占領されるなど国土が荒廃し大きな被害をこうむった。第二次大戦後は，国民の間に反ソ意識が高まり，ゴルバチョフ・ソ連大統領のペレストロイカ政策が進展するなかで90年３月独立回復宣言を行い，91年８月クーデター騒動の直後に再独立を達成。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050795