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モルドバ(政治・経済)


独立以来,市場経済体制の導入,複数政党制などによる政治経済体制の変革を推進しているが,2001年の選挙で共産党が勝利し,共産党党首が大統領となった。ロシアとの連帯を強める公約をしていたが,対外政策は現状を維持すると表明した。EU加盟意図を表明するなど,欧州寄りの立場も見せている。しかし最大の課題は国内に抱えた民族紛争で,トルコ系のガガウス人が「ガガウス共和国」を,またドニエストル川東岸のロシア系住民が「沿ドニエストル共和国」をそれぞれ宣言しており,ロシアがドニエストル側につき,戦闘が行われた。97年に入り,両者の会談によりモルドバの統一国家としての領土保全が合意されたが,なお問題の根は残っている。現在はロシアウクライナ,OSCE,EU,米国を交え,和平交渉が続いている。元首は民選の大統領一院制議会で首相は大統領指名する。温暖な気候と肥沃な土地に恵まれ,農業は発達しているが地下資源乏しい典型的な農業国であり,特にブドウ生産が有名である。そのほか果物,タバコテンサイ,食肉や乳製品などの生産も多い。工業は軽工業程度で,ワイン冷凍食品など食品加工が主である。




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「世界各国要覧」
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