リトアニア（政治・経済）

独立を推進した民主勢力「サユジス」をバックに，リトアニアは市場型自由経済への移行を進め，国連，世界銀行，IMFなど国際機関にも加盟して西欧社会への復帰を果たした。1992年新憲法を制定，元首は大統領で民選，首相は大統領が指名する。93年には駐留ロシア軍の撤退が完了，2004年NATOとEUに加盟を果たした。ロシア，バルト諸国，北欧諸国などの周辺国との善隣関係の維持も図っている。天然資源としては泥炭が豊富で，その埋蔵量はおよそ40億トンあると見積もられている。同国は“緑の国”といわれ，肥沃な土壌と温和な気候に恵まれ，牧草が豊かで牧畜業，農業が発達している。主なものは乳畜産，養豚，小麦，ジャガイモ，亜麻や野菜栽培などである。また国土の26％が森林に覆われ，林業のウエイトも大きい。工業は食品加工，繊維，金属加工業などを中心に発達しており，国民の生活水準も高い。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050867