アンティグア・バーブーダ（政治・経済）

英国女王を元首とする立憲君主国で，女王の権限を代行する総督が任命されている。議会は二院制で，普通直接選挙による選出議員（17名）からなる下院と，首相，野党党首，Barbuda Council（バーブーダの自治体）の推薦により総督が任命する者（17名）からなる上院により構成される。首相は下院多数派の代表を総督が任命する。2004年統一進歩党が圧勝。親子二代で独立以来28年続いたアンティグア労働党を破った。親米英の穏健外交を基本方針とする。カリブ共同体（CARICOM），東カリブ諸国機構（OEC S）との関係を重視している。経済は，1970年代以降，安定して順調な発展を続けてきたが，政界の汚職事件，マネーロンダリング疑惑事件などが発覚し，首相が引退するなどした。90年代に入ると経済は停滞し始めた。観光が主要産業で，雇用人口の半数が観光関連産業に従事し，主たる外貨収入源となっている。このほか農業では綿花やサトウキビ，野菜，果物など，漁業ではエビなどがあげられる。主な輸出品は衣類，ラム酒，綿布，エビであり，輸入品は原油，衣類，機械類である。現在，政府は観光に大きく依存している経済構造を変えることを意図しており，特に農業生産に力を入れている。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050905