コスタリカ（政治・経済）

同国は立憲共和国であり，大統領は直接選挙で選ばれ，任期は４年で再選は認められていない。政治上の大きな特徴は，平和憲法により軍隊を放棄していること，文民政治が伝統的に行われていることで，民主政治が国民の中に深く浸透している。伝統的にキリスト教社会統一党（PUSC）と国民解放党（PLN）との２大政党制が続いてきたが，2002年大統領選挙では，市民行動党（PAC）などの少数野党が台頭，勢力区分に変化が生じている。06年２月の大統領選挙では，ノーベル平和賞を受賞しているアリアス元大統領が苦戦。国連を中心とした平和主義外交を基調としている。特に米国や中南米諸国との関係を重視し，周辺諸国の安定化と民主化の促進に積極的姿勢を示している。米国，中米諸国との自由貿易協定締結をめぐり，国論が二分している。1983年には永久的非武装中立政策を宣言した。産業はコーヒー，バナナ，牛肉，砂糖などの農牧業が中心であったが，積極的な海外投資の誘致により，98年３月より米国インテル社がマイクロ・プロセッサーの生産を開始した。しかし，農産品の価格下落とマイクロ・チップ減産のあおりを受け，成長率は減速している。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14050944