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セントビンセント・グレナディーン諸島(地理・気候・風土)


カリブ海浮かぶ小アンティル諸島のうち,南方のウィンドワード諸島に属する小さな島嶼国である。主島はセントビンセント島で,その南に約600の島々からなるグレナディーン諸島が連なる。この国にはブラック・サンズ(黒砂)の海浜や,バウンティ号の反乱で有名なブライ船長が太平洋から持参して移植したと伝えられる「パンの木」があり,この地域最古の植物園を持つことでも知られている。ちなみにブライ船長の持参したパンの木の実は,以来西インド諸島の住民の主食となった。セントビンセント島を含め,周囲は火山活動が活発で,特にセントビンセント島のスフリェール火山は1902年の大爆発で島の北半分を荒廃させ,79年の噴火では島の3分の1が降灰で覆われ,バナナ栽培などに大きな被害を出した。気候は熱帯性であるが,北東貿易風帯にあるため,夏でも暑さが比較的和らぎ,概してしのぎやすい。気温は年間を通じて18~32℃の間を上下し,一年は雨季と乾季に分かれている。




東京書籍
「世界各国要覧」
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