ニカラグア（国のなりたち）

1502年，コロンブスの第４回航海で探査され，スペイン国王の名の下に領有が宣言された。73年にグアテマラ総督領に編入。19世紀初頭から独立運動が活発化し，1821年グアテマラ総督領の構成諸州が独立を宣言，ニカラグアもその一員となった。23年中米５か国で創設された中央アメリカ連邦へ参加，同連邦の解体により38年に単独国家として独立。独立後は保守派のグラナダ市民と自由派のレオン市民による主導権争いが噴出，武力衝突を繰り返した末，46年に首都がレオンからマナグアに移された。内乱はその後も頻発し，1912年内乱収拾の名目で出兵した米国が32年まで軍事占領した。36年クーデターによって大統領となったソモサ将軍は，その後43年間にわたり世襲制により一手に権力を集中させ，「ソモサ王朝」と呼ばれるほどの独裁恐怖体制を続けた。経済搾取から思想弾圧まで社会的矛盾を露呈させたことで，70年代になると反ソモサ運動は国民的な高まりをみせた。78年，反政府運動の急先鋒である「サンディニスタ民族解放戦線（FSLN）」の蜂起による内乱状態に突入し，翌年ソモサ政権が崩壊するとFSLNを中心とする国家再建執政委員会が発足。新政権はキューバやソ連に急接近したため，この路線に反発する右派は新たな反政府武装勢力「コントラ」を結成，米国の援助を受けて80年代初めから本格的な内戦状態に陥り，それは90年まで続いた。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051002