パナマ（国のなりたち）
1502年コロンブスが第４回航海で北部のモスキトス湾を探査，13年にはバルボアがパナマ地峡を通過して太平洋を確認した。以後，南米のヌエバ・グラナダ副王領に属してきたが，1821年にコロンビアの一州としてスペイン支配から脱した。1903年コロンビアは米国とパナマ運河建設に関する条約を締結したが，コロンビア議会がその批准を拒否したため，運河建設を死活問題と考えたパナマ側は単独で米国に打診，その支援を受けて独立を宣言し，２週間後にあらためて運河条約を結んだ。14年米国の資金によりパナマ運河は開通したが，このとき締結されたパナマ運河条約は，運河と運河地帯（運河の両側８㎞の帯状地帯）の独占使用・支配権を米国に与えたもので，米・中南米間の不平等関係の象徴として対米批判の一焦点になった。以来，両国は長期にわたる交渉の末，79年10月新条約を結び，米国は99年12月31日運河の管理運営権を全面的にパナマに返還することで合意した。
 | 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051018 |