アルゼンチン(政治・経済)
大統領が最高権力者で,首相を任免する。1994年憲法により大統領の直接選挙制,首相職の新設,二院制議会設置などが決まった。03年発足した現政権は,南米共同市場(メルコスール)の強化など南米諸国との強調,また米国,EUとの成熟した関係の形成,またフォークランド(マルビナス)諸島の領有権の継続的主張を,外交上の基本方針とする。世界有数の農業国で,“世界の食糧庫”といわれ,牛肉,小麦,トウモロコシ,大豆,ヒマワリの種子などの農産物の生産を誇っている。工業も盛んで,船舶や航空機も国産化し,また鉱業では石油や天然ガスが豊富で,特に石油は自給率90%である。さらに,ウランや漁業など未開発資源も多く,将来が非常に期待されている。1990年代は自由開放政策を推進,民営化や規制緩和など構造改革を行い,高い成長率を示した。しかし,99年ブラジルの金融危機を境に景気は低迷し,2001年金融不安が生じ,政権の崩壊にまでつながった。低迷した経済問題解決(失業,貧困問題解決など経済再建と債務問題解決)が最優先課題である。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051066 |