ウルグアイ（政治・経済）

ウルグアイは，1917年執政協議会による合議制を採用し，中南米では最も議会制民主主義が定着した国であった。しかし，合議制による政務の渋滞もあり，67年に改憲し大統領制となった。この憲法で，国民投票で選ばれた大統領を長とする行政府と，二院制議会および司法機関が分立する民主体制が定められた。保守系２大政党であるコロラド党，国民党に加え，急成長した左派勢力EP/F A（進歩議会・拡大戦線党）が主勢力。2004年の大統領選・両院議会選挙ではEP/FAが躍進。バスケス同党総裁が大統領に就任した。新政権は，脆弱化した経済の立て直しを進めつつ，貧困対策，雇用拡大などの社会政策を最重要課題として取り組む。南米の大国アルゼンチンとブラジルにはさまれ，緩衝国としての立場をふまえた堅実全方位外交を進めている。とりわけ南米共同市場（メルコスール）の発展に努める。なおメルコスール本部はモンテビデオにある。牧畜が盛んで，経済の基盤をなしている。主要産物は小麦，米などで，近年は漁業も盛んである。鉱物資源を持たないため，農牧立国の方針は当分続くと見られている。輸出品は羊毛，牛肉を中心に，米，革，繊維などである。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051074