エクアドル（国のなりたち）

古くは８つのインディオ国家が分立，15世紀前半キト王国の支配が確立したが，1460年にインカ帝国に統合された。1533年からスペインの植民地となり，63年には独自の行政府がキトに置かれ，この管轄区域が現在の領土や行政範囲の基となった。1822年スペイン軍を敗走させ，形成されたばかりのグラン・コロンビアの一部となったが，８年後に単独の国家として分離独立した。独立後は，商工業都市グアヤキルと半封建地主層の多いキトとの地域的対立，これを基盤とする自由党と保守党の抗争，軍部独裁政権の成立，さらに隣国ペルーやコロンビアによる政治的干渉などが加わり，統一国家としての近代的発展は阻まれてきた。1942年ペルーとの国境紛争に敗れて領土の一部を割譲したが，70年代から始まった石油ブームで経済的に安定して社会的近代化をもたらし，1978年には新憲法を制定。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051080