コロンビア（政治・経済）

共和制で，大統領は直接選挙で選ばれる。従来再選不可であったが，憲法改正により１回のみ再選可能となった。従来から自由党，保守党の２大政党間の対立が激しく，1899年には死者10万人を出す内乱が勃発，1948年にも再び内戦となり，58年に死者20万人を出して休戦している。この政治休戦により，74年までの16年間，政権は自由・保守両党が交互に４年ごとに担当するという制度がとられたが，この制度は74年の総選挙以降廃止された。左翼系反政府組織コロンビア革命軍（FARC）および国民解放軍（ELN）が存在し，政府や治安当局に対するテロや，資金調達のための誘拐，麻薬取引が行われているとされる。さらにパラミリタリー（極右非合法民兵組織）とも激しい抗争が行われている。2002年就任のウリベ大統領（自由党系右派）は，重点課題として治安回復に取り組み，パラミリタリーの武装解除を開始，また，ELNとも直接対話が行われ，和平プロセスに進展があった。同大統領は就任以来，７割にもおよぶ高支持率を維持している。外交は対米自主民族主義路線を基調に，あらゆる国との関係樹立を唱え，特にアンデス諸国やその他中南米諸国，アジア太平洋諸国との関係強化に努めている。経済面ではコーヒー産業に対する依存度が極めて高かったが，天然資源も豊富で，石油，石炭，金，エメラルドなどを産出する。石炭の埋蔵規模は南米最大。農産品にはバナナ，サトウキビ，米などもある。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051098