パラグアイ(政治・経済)
1992年に新しく制定された憲法により,国権は立法,司法,行政の三権分立を建て前としている。2003年就任のドゥアルテ大統領は,野党の協力を得つつ,汚職対策や税制改革などの政治・経済改革の推進に向け指導力を発揮,歴代政権に見られた馴れ合い政治からの脱却をアピールしている。外交面ではブラジルなどと南米共同市場(メルコスール)を結成し,周辺国との協調を中心に,アンデス共同体,EUなど他の地域ブロックとの統合,関係強化を図っている。99年キューバと復交,また南米で唯一台湾との外交関係を維持している。経済は農牧林業が主体で,人口の2倍にあたる肉牛が飼育されている。主な農産物は綿花,大豆など。また,水力発電による余剰電力をブラジルに輸出しており,重要な収入源となっている。2000年以降,ブラジル,アルゼンチンの経済不況の影響を受けたが,外貨準備高の維持,インフレ抑制,対外債務返済額の削減,税制改革などの改革に着手,経済改革で一定の成果を挙げている。
| 東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051122 |