ベネズエラ・ボリバル（政治・経済）

1999年より大規模な反政府ストやデモが頻発，大統領に対する辞任要求，一時暫定政権が発足など政変が起きた。国際機関が仲介し国民投票を行った結果，現大統領の任期は07年まで継続されることとなった。2000年１月に新憲法を施行，国名を変更するとともに議会を一院制に，軍人に投票権を与え，先住民の権利を認めた。外交面では石油を背景に着々と発言力と影響力を増してきた。対米自立，第三世界重視の姿勢を示し，OPECなどの指導的立場にある。中南米諸国をはじめ，欧州諸国，アジア諸国との協調にも積極的に乗り出した。一時石油価格が下落し財政が悪化したが，米国および中国における需要増，中東地域の地政学的リスク，米国の石油精製能力の不足などから石油価格が高騰，石油生産量を回復している。まだ未開発の有望油田も多く，天然ガス，鉄鉱石などの資源も豊富である。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051138