ボリビア（政治・経済）

立憲共和制で大統領が最高権力者。行政府を組織し，首相職はない。議会は二院制でともに直接選挙制である。1982年に民政移管を達成したのち，紆余曲折を経ながらも民主化・市場経済化に向けた改革を推進してきた。しかし，市場経済化にともなう貧困問題の悪化により，先住民を中心とする反政府運動が頻発。06年１月，左派先住民指導者のモラレスが大統領に就任した。貧困削減，社会的不平等，汚職の撲滅などを唱え，憲法改正の意志を表明している。周辺諸国との友好協力関係強化を図ると同時に，南米の中央に位置する地理的事情を生かし，同地域の要となることを標榜。チリとの間には領土問題があり外交関係はない。対米関係は麻薬対策が機軸となっている。天然ガスの対北米輸出に期待がかけられていたが，03年の暴動発生以来計画が停滞中。一次産品が総輸出の８割を占め，国際価格の影響を受けやすく，富の偏在，失業問題などで深刻な経済難に直面，01年には重債務貧困国の適用を受けたが，04年新税導入，緊縮財政による財政赤字の削減を実現し，また大豆を中心とする輸出が拡大，米国のアンデス貿易促進・麻薬根絶法による優遇関税により好調となった。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051154