ウガンダ（政治・経済）

英国女王を元首とする立憲君主国として独立したが，1963年大統領制となり，初代大統領にはブガンダ王ムテサ２世が選ばれた。71年に軍事クーデターによってアミンが大統領となった。同大統領はアジア人の追放，反対派に対する大量虐殺などを重ねて悪名高い軍事独裁を行ったが，タンザニアの支援を受けた反アミン派によって79年４月国外に追われた。その後もたびたびクーデター，「国民抵抗運動（NRM）」との内戦が起きたが，86年１月NRMのムセベニ議長が政権を掌握した。しかし北部地域では，20年近くにおよぶ反政府組織「神の抵抗軍（LRA）」との戦闘が継続，住民襲撃や略奪，児童拉致が横行し，2004年のピーク時には160万人の国内避難民が発生，現在も120～140万人の国内避難民を抱える人道危機に直面している。05年，国民投票により複数政党制への回帰が決定。06年２月，ムセベニ大統領は３選を果たしている。英連邦に加盟，非同盟中立を基本としているが西欧諸国との関係改善を進めている。スーダン，コンゴ民主共和国，ルワンダなど隣接諸国との紛争も改善が見られる。豊かな農業国で，コーヒー，綿花，茶，タバコ，砂糖などを産する。内戦で国土は荒廃し，一部は飢餓状態に陥ったが，87年以降IMFなどの支援で構造調整政策を実施し，約10年で経済を立ち直らせた。今後は一層の活発化と貧困削減に力を注ぐ。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051178