ガーナ（政治・経済）

ガーナは1960年共和国として新たに発足した。初代大統領にはクワメ・ヌクルマ首相が就任した。彼は60年代，“アフリカの輝ける星”と注目を集め，親ソ・反西欧の闘士として国際的に名を馳せたが，66年軍と警察によるクーデターにより追放された。以後クーデターあるいは権力闘争によるめまぐるしい政変が生じ，議会政治は行われなかった。92年新憲法を制定。大統領が最高権力者で直接選挙制，３選禁止。内閣は大統領が指名し，首相職はない。非同盟中立を柱に近隣諸国，先進国との関係を重視した現実外交に転換している。西アフリカ諸国経済共同体（ECOWAS）の主要メンバーとして同地域の平和と安定にも積極的に貢献している。サハラ以南では南アフリカに次いで２番目の原子力発電所が中国の協力で完成，95年から稼働している。経済は農業を中心とする。なかでもカカオは最重要農産物。金やカカオの国際価格の低迷，主要輸入品の原油価格の高騰などにより経済は低迷していたが，経済再建を推進，マクロ経済は改善，安定を取り戻しつつある。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051210