カーボベルデ（政治・経済）

独立以来，「カーボベルデ独立アフリカ党（PAICV）」による一党政治が安定して継続されてきた。1990年，憲法を改正して一党独裁を廃止，市場経済志向を表明するとともに，ギニアビサウとの国家統合問題にも終止符を打って国旗も改訂した。複数政党制の選挙の下，91年～2001年は，新興政党「民主主義のための運動（MPD）」が勝利した。しかし，2001年PAICVが勝利を収め，与党の座に返り咲いた。大統領制で首相は大統領の指名に基づき議会が選出する。議会は一院制である。穏健な非同盟政策をとり欧米諸国との関係も進展している。ポルトガル語諸国共同体（CPLP）創設に参加，一方フランス語圏諸国首脳会議にも参加している。中国と国交を持ち，援助や融資を受けている。韓国，北朝鮮と外交関係を持つ。また労働人口の約４割は農林水産業に従事している。島の中の狭い谷間や内部高地を利用しての農業や牧畜であるため生産量は少なく，バナナ，コーヒー，サトウキビを産する。また水産資源として，マグロ，エビなどがある。しかし，食糧の大部分を輸入に依存している。ほかに遠洋航路，航空路，電話通信などの中継基地として燃料の供給，サービスの提供などがある。本国の人口を上回る70万人に上る外国移住者からの送金の割合も高い。政府は食糧自給，軽工業や水産業の開発に努めている。また旱魃に備えて海水淡水化施設を設置するなど，飲料水の確保も重大問題となっている。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051218