カメルーン（政治・経済）

大統領が最高権力者で首相を任免する。単一政党「カメルーン人民民主連合（RDPC）」の堅実な経済運営により，内政は比較的安定している。2004年もビヤ大統領が圧倒的支持を得て再選した。現政権は慢延する横領，詐欺事件，汚職を根絶すると宣言，法律の遵守を公務員に呼びかけている。非同盟路線を堅持する一方，フランス，英国との関係強化を図り，フランスと軍事，経済などの協力協定を締結，また国土の一部は英国の信託統治地域であったことから，英連邦に加盟している。産油地帯の領有権問題でナイジェリアと紛争がある。また英語系住民の間には仏語系住民に対する不満から，英語系住民の多い南部で独立を宣言する動きがあり，総選挙のたびにボイコットなどの混乱がある。この国の経済の基調は農業で全労働人口の80～90％が農業に従事し，生産は順調に伸びている。主要産品はココア，コーヒー，綿花，バナナ，タバコなどで，そのうちココアは世界第６位の生産高を持ち，ココアとコーヒーが重要な輸出品である。その他の主要産品として木材とボーキサイトがあり，また，ビクトリア沖に油田が発見され，原油の生産・輸出も始まっている。

東京書籍 「世界各国要覧」 JLogosID : 14051234